エレベーターの遮煙性能について~なぜ必要なのか?~

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マンガでわかるビル経営 エレベーター保守管理費用削減編

はじめに

ビル内で火災が発生した場合、原則的には避難のためにエレベーターを使用してはならないことになっています。
その理由としては「停電のためにエレベーターが運転不能となりその中に閉じ込められてしまう可能性があること」「火災が発生しているフロアに停止して扉が開いてしまい火災に巻き込まれる可能性があること」などが挙げられます。
それに加えてエレベーターの昇降路(カゴが上下する竪穴の部分)が煙の通り道そのものになりやすいという理由もあります。
エレベーターの昇降路が煙を別のフロアに広めてしまうのです。
このためエレベーターには、火災が発生した場合に煙が昇降路を伝わって別のフロアに広がらないようにするための機能(遮煙性能)も求められるようになってきました。
このエレベーターの遮煙性能について、以下で見ていくことにしましょう。

煙を食い止めることが大切!

一般的な戸建て住宅などの場合、火そのものをどのようにするかが防災の要になってきますが、ビルの場合はそれだけにとどまりません。
耐火構造となっているビルの場合、不燃仕様の建築材料を用いることやそのような材料で区画を形成することにより、火を火災が発生したフロアで食い止める可能性が期待できます。

しかし、煙はそうはいきません。
何らかの経路を通って火災が発生したのとは、別のルートで煙がフロアへ広がり、それによって死傷者が出てしまうこともあります。
そして、そのような煙の広がる経路のおよそ6割は、エレベーターの昇降路であるとするデータもあるのです。

したがって、ビルの防災においては、火災発生時にいかにして縦方向への煙の移動を防ぐかが大切になってきます。
そのために重要となってくるのが、エレベーター昇降路の遮煙性能なのです。

なお、日本においては2002年6月に実施された建築基準法改正により、エレベーターの昇降路に関して難燃材料(または不燃材料もしくは準不燃材料)で区画すること、およびエレベーターの乗降口前付近を「遮煙」と「遮炎」双方の性能を備えた設備によって防火区画化することが義務付けられています。

実際に、どのような方法で遮煙・遮炎性能を達成するかについては、メーカーや商品によって異なります。
主なものとしては「防火戸やシャッターなどによって炎と煙を遮る」「遮炎性能を持つ乗降扉と遮煙性能を持つスクリーンなどを組み合わせて炎と煙を遮る」といった方法がとられているようです。

最後に

冒頭で火災発生時「原則的には避難のためにエレベーターを使用してはならない」と述べましたが、最近では少し事情が変わってきています。
高層建築物で火災が発生した場合の逃げ遅れを防ぐため、非常用エレベーターを使用した避難を消防などの公的機関が推奨する動きも出てきているのです。

ただし、これには「非常用エレベーターの近くに防火設備を有する一時避難区域が設けられていること」「非常用エレベーターに優れた遮煙性能が備わっていること」などが条件となっています。

そのような設備のない場合、やはり火災発生時のエレベーターによる避難は控えるべきでしょう。

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