エレベーターのワイヤーについて

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
マンガでわかるビル経営 エレベーター保守管理費用削減編

はじめに

現在、エレベーターの駆動方式としては「つるべ式」あるいは「トラクション式」と呼ばれる方式が主流となっています。
この方式ではワイヤー(主ロープ)の、一方の端に人が乗るカゴ、もう一方の端には釣り合い用のオモリが取り付けられており、巻上機が作動することでそれらが上下します。
ですから、ワイヤーは非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
今回は、このワイヤーの作りや交換時期、耐久性などについて考えてみることにしたいと思います。

ワイヤーの作りと交換時期

エレベーターのワイヤー(主ロープ)は、何本もの細い線(素線)をねじりながら組み合わせることによって作られています。
カゴや釣り合い用オモリの重さは、この素線の1本1本に分散されて掛かっていることになるわけです。
ですから、素線の1本が切れると、他の素線に掛かる負担が大きくなり、やがては全体的な破断へと至ることになります。

上記のように、カゴや釣り合い用オモリの重量により、ワイヤーには常時張力が掛かっている状態です。
これに加えて、綱車の滑車を通るたびに「曲げ」あるいは「摩擦」といった負担も掛かります。
したがって普通に使用していても、これらの要因がもとになって素線の切断が発生するリスクは常にあります。(疲労破壊と呼ばれる現象です)
逆に考えれば、素線が1本あるいは数本切断した状態は、ワイヤーの交換時期を知らせる明らかな目安とも言えるわけです。

ワイヤーの耐久性

耐久性は、使用条件や状況によって大きく変わります。
運転回数が著しく多いケースでは、当然のことながらワイヤーに掛かる負担が大きくなります。
また、エレベーターが特定階のみに長時間停止していることが多いようなケースでは、ワイヤーの限られた部位のみに曲げが多く発生することになります。そのため部分的な劣化が進みやすくなります。
その他、直射日光や雨水の侵入などにより昇降路内の温度・湿度が上がりやすい環境では、ワイヤーの劣化が起こりやすくなってしまいます。

ワイヤーが切れたらどうなる?

実際のエレベーターではこのようなワイヤーが、少ない場合で3本、多い場合では8本使われています。
そして、それぞれのワイヤーには、たとえ他のワイヤーがすべて破断し残り1本だけになったとしても、満員状態のカゴをつりさげられるだけの強度が確保されています。

また、すべてのワイヤーが破断してしまったとしても、エレベーターには「非常止め装置」が備えられています。
万が一ワイヤーが破断しカゴの速度異常を検知すると、非常止め装置がガイドレールを挟み込みエレベーターを緊急停止させるのです。
このような安全装置の働きにより、仮にワイヤーがすべて破断した場合でも、アクション映画のようにカゴが高速で落下する可能性は相当低いと言えるでしょう。

最後に

万全の安全対策がなされているとは言え、日本でも時にはエレベーターが落下し、乗っている人がケガをする事故が発生しています。
また、エレベーターの所有者には、建築基準法によりエレベーターを常に安全な状態で維持することが義務付けられています。
定期点検などでワイヤー劣化が見つかり、交換の必要性が生じた場合には、できるだけ早く対応するようにしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
  • マンガでわかるビル経営 エレベーター保守管理費用削減編
ビルの管理費用削減・エレベーターの費用削減などについて、
お気軽にご相談ください。
03-6272-8690
お問合せフォームはこちら